皆さん、こんにちは。
寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
痩せてる私にはこたえる日々です。
さて、今回は「のぶ君」の話しを少ししたいと思います。
のぶ君とは誰か。
私の兄の中学時代の同級生です。
知るはずがないですね。
のぶ君は成績優秀で、ドラえもんの出木杉君のような人でした。
一方、兄のほうはというと、いろいろあって学校に行けなかったんですね。
不登校です。
今ほど選択肢もない時代です。
当時の母は、責任を感じ悲嘆に暮れてました。
酷いことに、祖母(父の母)も母を責めていたようでした。
祖母は、子どもの学歴が自慢のような人だったんですね。
兄は「なんで産んだんだ」などと母を責める、母は泣く、その様子を見て私は兄を非難する、腹が立った兄は私を叩く、そんな流れが毎日のように続きました。
母は今70歳になりますが、人生を振り返って、この頃が一番苦しかったと言ってました。
また、「のぶ君が自分の子どもだったらなぁ」と思ったのだとも聞きました。
一応、母の名誉のために言いますが、こういうことは滅多に言わない人です。
そんな優等生のぶ君。
さぞ順風満帆な人生を送るかと思いきや、高校に入ってまもなく、最悪の結果を受けました。
死んでしまったのです。
転落死だと聞いてます。
自殺は考えにくいので事故だと思いますが、とにかく死んだのです。
一方、その後の兄の人生はというと、相変わらず親を恨み人生を恨むような生き方でしたが、最近結婚し、結婚式では涙ぐみながら親への感謝の言葉も述べたそうです。
そんなこともあって、母は「今は幸せだ」と言います。また、親より先に死んでしまったのぶ君を見て、今では「どちらが親不孝者かわからないな」と言います。
さて、簡単に2人の人生を紹介しましたが、どちらが「いい人生」でしょうか。
高校までの短期的な視点ではのぶ君、長期的な視点では兄と評価する人が多いと思います。
しかし、今は幸せでも今後はわかりません。離婚したりして、また恨むようになるかもしれません。
さらに長期的な視点では、兄もまた死ぬ運命にあります。
ここが重要なのですが、2人の人生には大差がないのですね。のぶ君が少し早かっただけです。
のぶ君や兄だけではありません。
私たちも同じく死ぬ運命にあります。
生きている今がチャンスです。
今生での悩みなど比較にならない世界が死後に待っています。
それに比べれば、優等生だとか不登校といった問題は取るに足らないことです。
死や死後に目を向けましょう。