死に際に見る走馬灯現象

死ぬ間際のパノラマ体験(いわゆる走馬灯)は、臨死体験者の20~30%が見るといいます。
臨死体験の研究で知られる医師のレイモンド・ムーディーは次のように述べています。
「全員に共通してみられる特徴は、パノラマ体験はこの世の時間に換算すれば瞬時に過ぎ去ると表現される点である」
「パノラマ体験は急速なものでありながら、その回想はほとんどいつも驚くほど生き生きとした現実感のある視覚的イメージの形をとって現れる」
「体験者たちは、パノラマ的ヴィジョンを体験しているあいだ、精神活動は驚くほど加速されると報告している。思考プロセスの速度は言語に絶するほど迅速になり、その意識状態は、直接体験した者でなければ到底想像もつかないだろうというのだ」
「この精神活動の加速とは対照的に(ある意味ではそれに関連しているのだが)、外的ないし周囲の時間の流れは減速するという印象が報告されている」(レイモンド・ムーディー)
さらに、過去の回想だけでなく未来を予知することもあるといいます。
「ある体験者たちは、脈絡がないように思える未来の出来事らしいヴィジョンと接した後、なんと順次そのとおりに生きることになったと証言している。たとえば、まだ出会ってもいないにかかわらず未来の伴侶や2人のあいだにできる子供、そして住むことになる家などを正確に見たと確信しているケースもあるのだ」(レイモンド)
ベルグソンは「過去がパノラマのように見えるのは、すぐに死ぬのだという突然の確信から生じた、突如とした生への無関心のため」と言います。

死亡率が97%といわれる状態から臨死体験を経て生還し、完全な回復を果たしたという脳神経外科の世界的権威、エベン・アレグザンダー(ハーバード・メディカル・スクール准教授)は、事故直前に起こったスローモーション体験について次のように語っています。
「こういう場面では物事がゆっくりと見えるといわれるが、それは本当だった。私の意識はその後のマイクロ秒に起きたことを、映画のスローモーションのように観察していた」
「考える暇もない状況に置かれ、たとえ考える余裕があってもとうてい対処しきれない複雑な問題に、私はマイクロ秒で対応したのだった」
「絶体絶命と思われたにもかかわらず、私は危機を切り抜け、まるで常能力を超える場面で脳がスーパーパワーを発揮したかのようだった」
「私をとっさの行動に駆り立てたものは、脳よりはるかに奥深い部分だったのだ。あのような瞬時の行動がとれたのは、その部分が脳や肉体を制約する時間の概念に一切とらわれていないからだった」
ちなみに、心理学者の一川誠(千葉大学教授)の実験によれば、危険を感じさせる画像が見えている時間を実際より長く感じていたことが確認できたといいます。
「体調が悪い時には時間があっという間に経ったり、風邪で熱が出ている時にはゆっくりと感じたりする。人が死の直前に見るという『走馬灯的なもの』も関係しているかもしれない」(一川)

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