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「経験は、あなたが禿げた時に手に入るクシである」 体験の欠点

体験というのは強い力がある一方で、遅いという欠点があります。詩人のエッシェンバッハは、「若い時われわれは学び、年を取ってわれわれは理解する」と言いましたが、この流れでは遅いのです。たとえば、1億円を手に入れた幸福感を、手に入れて初めてわかっていたのでは遅いということです。「経験は、あなたが禿げた時に手に入る櫛である」というアルゼンチンの古い諺もあります。体験して初めて理解するのは下の下です。ですの […]

すべての不幸を勝縁にする

勝縁とは、すぐれた良い縁のことですが、一切の不幸(幸もですが)を死の解決のための勝縁とすべきです。作家のプルーストは、「病人というものは、正常な人よりも己れの魂により近く迫るものだ」と言いましたが、不幸な時というのは無常を観じる良い機会です。庄松がある同行を誘って聴聞に行こうとした時のことです。その同行は、「今日は、病気で具合が悪いので聴聞を休みたい」と言いました。それを聞いた庄松は、こう言って叱 […]

釈迦が出家する大きな動機となった四門出遊とは?

修行本起経には、釈迦が出家する大きな動機となった有名な四門出遊の話があります。郊外の風景を楽しもうと釈迦は王宮を出ました。まず東門を出ると、頭は白く、歯が抜け落ち、腰は曲がり、杖をついた人が目に入りました。釈迦は御者に尋ねました。「あれは何か。他の者と違っているではないか」「あれは老人であります」「老人とは何か」「もはや寿命がいくばくもない者であります」「私も老人になるのであろうか」「もちろん誰で […]

優等生ばかりじゃない。愚鈍で偉大な仏弟子たち

シュリハンドク 小路という人がいます。数多い釈迦の弟子の中で最も愚かな弟子として知られ、大愚の元祖ともいわれています。自分の名前も覚えられず、名札をつけているよう釈迦に言われていたような人です。ちなみに、この人の墓から生えてきた草を茗荷といいます。対照的に、兄の大路は非常に賢い人でした。最初、大路は熱心に小路に教えていましたが、あまりに覚えが悪いため気力が尽きてしまいました。「お前にはとても悟りを […]

高層タワーマンションに住めば幸せになれるか

幸せを手に入れたために新たに生じる苦しみがあり、それを仏教では有無同然ということをこちらの記事で詳しく説明しました。 【幸福の欠点】有無同然 成功する苦しみがある ここではタワマンをテーマに説明します。 週刊誌に「湾岸タワマン28階に住んだのに、予想外の“負け感”。主食はコンビニ弁当」というタイトルの記事がありました。37歳の酒井優一さん(仮名)は、以前からタワマンに憧れており、湾岸エリアでも人気 […]

ミシュラン三ツ星シェフになれば幸せになれるか?

幸せを手に入れたために新たに生じる苦しみがあり、それを仏教では有無同然ということをこちらの記事で詳しく説明しました。 【幸福の欠点】有無同然 成功する苦しみがある ここでは一流シェフをテーマに説明します。 当時、最年少でミシュラン3つ星を獲得した料理界の鬼才、マルコ・ピエール・ホワイト。しかし、彼は星を突如返上します。その理由をフォーブス誌にこう語っています。「星をもらうのはいいんだが、それを維持 […]

芸能界で成功すれば幸せになれるか

幸せを手に入れたために新たに生じる苦しみがあり、それを仏教では有無同然ということをこちらの記事で詳しく説明しました。 【幸福の欠点】有無同然 成功する苦しみがある ここでは、「華やかな世界」の代表格といっても過言ではない芸能界からいくつか紹介しましょう。 ZIPという朝番組で、その時の出演者であった5人のAKBのメンバーにこんな質問がされていました。「人生をやり直すならもう一度AKBをやりたいか? […]

罪悪観とは?悪人こそ救われる悪人正機とは?

人間は悪の限りを尽くしている極悪人であることは、こちらの記事で詳しく説明しました。 人間は悪の限りを尽くしている極悪人 罪悪の自覚 自己の罪悪を見て見ぬふりをするのではなく、直視することが人間として正しい生き方です。 悪人正機 仏教で説かれる「悪人」とは、自分の罪悪を自覚して苦しんでいる人であり、反省して罪悪を造らないよう努力している人のことです。・悪人は人間関係がよくなる人間は人の欠点はよくわか […]

【夢の又夢】豊臣秀吉に学ぶ人生の無常

人類の歴史上、日本の豊臣秀吉ほど「成功」という言葉があてはまる人物はいないのではないでしょうか。もともと家柄が良かったといったことで大きな成功を収めた人は他にもいますが、秀吉ほどのサクセスストーリーはまず他にないでしょう。周知の通り、秀吉は、盗みや乞食などして這いずって生き延びていた一介の水呑み百姓から、織田信長の草履取りとなり、最終的には日本全国を統治する天下統一を果たすまでになりました。当時、 […]

【非僧非俗】世間と仏教は密接不二の関係にある

基本的に、「世間」は仏教と真逆といっていいほどの違いがある世界であり、捨てる覚悟が必要であることはこちらで詳しく説明しました。 真の幸福のためにすべてを捨てる では、仕事や恋愛など、無常の幸福はまったく価値がないかというとそうではなく、関わり方次第で手段として活かすこともできます。たとえば、学ぶべき価値があります。無常の幸福で幸せになろうと思うから、つまり無常の幸福を無常の幸福と思っていないから、 […]