「朝起きて 夜寝るまでに 昼寝して 時々起きて 居眠りをする」
「世の中に 寝るより楽は なかりけり 浮世の馬鹿が 起きて働く」
これらの歌の通り、人間は寝ることが大好きです。
睡眠での失敗は誰にでもあるでしょう。睡眠を邪魔されれば、善知識だろうが親だろうが、心の中で八つ裂きにします。善知識は聴聞の妨げになるから起こしてくれたのであり、親は遅れないよう起こしてくれたのにもかかわらずです。
釈迦十大弟子の1人である阿那律は、説法中に居眠りをしたため釈迦に叱られました。それを恥じに思い眠らないでいたら目が潰れて天眼を開いたといいます。
この行為が良いか悪いかは別として、これぐらい恥に思う人はまずいないでしょう。一時的に罪悪感を感じ反省しても、同じ過ちを繰り返してしまいます。
民謡「会津磐梯山」には「小原庄助さん、朝寝・朝酒・朝湯が大好きで、それで身上潰した」というフレーズが出てきますが、彼のように睡眠欲に負けて一生を徒に明かしてしまうのです。