【廃立】人に真実を説く時は、廃立と隠顕を使い分ける

仏教には廃立という言葉があります。「廃」は捨てるべきもの、信ずべきでないものという意味で、「立」は拾うべきもの、信ずべきものという意味です。廃立の特徴は「これはいい」「これはダメ」とハッキリと言い切ります。このハッキリと言い切ることが、長所でもあり短所でもあります。
・廃立と隠顕
廃立に対して隠顕という言い方があり、次のような違いがあります。

廃立:Aはダメ、Bを取れ
隠顕:Aもいい

廃立の長所は「わかりやすい」という点です。どちらを取ればいいのか一目瞭然です。逆に、廃立の短所もまた「わかりやすい」という点にあります。断定した言い方をするので、批判を受けやすくなります。上の例では、否定されたAから反発されやすくなるということです。
また、隠顕の短所は「わかりにくい」という点です。この言い方だと、AとBのどちらを選べばいいのか迷いやすくなります。「Aもいい」ということは「Bはもっといい」ということであり「Aはダメ」ということですが、Aをとってしまう人が多くなります。隠顕の長所もまた「わかりにくい」という点にあります。Aは否定されているわけではないので、Aから反発されることは、まずありません。隠顕の言い方のほうが圧倒的にモテます。

・廃立の重要性
仏教では隠顕より廃立が重視されます。
「真宗の門においては、幾度も廃立を先とせり」(改邪鈔)
(訳:真実の仏教においては、真実に近づけるために何度も廃立を重視するのである)
無常迅速の命ですので、1日も速く死の解決をする必要があり、遠回りしている余裕はありません。批判を受けやすいという短所より、信仰が速く進むといった求道スピードを重視すべきなのです。廃立によって、求道を最短ルートで進むことができ、速く真実に近づくことができます。

・隠顕の価値
隠顕の言い方も場合によっては大切です。特に開顕においては、いきなり廃立の言い方をしては気を悪くして話を聞かなくなるという恐れもあるため、廃立と隠顕を状況によって使い分けることが大切です。両方を補おうと努力する必要があり、その努力を怠れば破滅します。

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