人の心を知る方法。自分の心を知る、利他をするetc.

人の心を知る方法として、外側から観察する方法があります。科学でも、声や表情から人の精神状態を分析できます。

自分の心を知ると人の心もわかる

また、外側を観察するだけでなく、内側を観察する、つまり自分の心を観察することでも人の心はわかるようになります。男は男心がわかり、女は女心がわかるようなものです。また、泥棒は泥棒の気持ちがわかり、痴漢は痴漢の気持ちがわかり、ハッカーはハッカーの気持ちがわかるようなものです。自分の心を深く知るほど、人の心も深くわかります。浅くしか知らない人は、人の心も浅くしかわかりません。

程度の差はありますが、意識するとしないとにかかわらず、外側と内側の観察を人間は皆やっています。そして、相手のちょっとした情報から様々な情報をつかんでいます。
「近年の研究では、人はごくわずかな顔色の違い、たとえば自律神経系の変動がもたらす顔の皮膚の血流の違いも、容易に読み取れることが示されている。表情に示される感情だけでなく、その人が興奮しているか、落ち込んでいるのかなどの情報も、顔色のわずかな違いから無意識に読み取っているのだ」(櫻井武/筑波大学教授)

ちなみに、肌の変化を読み取りやすくするために色覚は進化し、肌はむき出しになったようです。
「人間の肌には、健康状態や、感情や気分を映し出すモニターとしての機能がある。(中略)それを識別するのがヒトの目だ。(中略)ヒトの色覚は微細な変化を読み取るセンサーなのだ。ヒトの顔には毛が生えておらず肌がむき出しになっているのも、そうした肌の変化をよく読み取れるように進化した結果なのである。人間はお互いの肌の変化を読み取ることでお互いの気持ちを読み合って生活している。それが、色覚という、感情を読む力というわけである」(石田英敬/東京大学名誉教授/「ヒトの目、驚異の進化」より)

また、玄人は素人にはつかめない情報をつかむことができます。たとえば、どの世界でも達人と呼ばれるような人は、ちょっとした所作から相手の力量がわかるでしょう。ベテランの歯医者は、歯を見ただけでその人の生活習慣がわかるといいます。

自分の心を知る方法についてはこちらで詳しく説明しています。

「自分」とは何か?自分を客観視する方法とは?本当の自分である阿頼耶識とは?本当のマインドフルネスとは?

利他をすると人の心がわかる

そして、利他的な人は、より人の心がわかるようになります。
「利他的な人は、そうでない人より、直観的に相手の真意を見極め、他人を正確に判断できることがわかっている。利他的な人のほうが、人の振る舞いや考え、気持ちに敏感なので、手掛かりを見つけやすいのだ」(アダム・グラント/心理学者/ペンシルベニア大学教授)
・死を見つめると利他的になる
ちなみに、死を見つめる利他心が高まります。心理学でも、「死を想うと人間は他者に優しくなる」という心理効果を指すスクルージ効果が知られています。たとえば、フロリダ州立大学の実験では、「必ず墓場の前を通る人たち」と、「通常の道を通る人たち」とでは、人に親切にする確率が前者は40%アップしたといいます。

人の心と自分の心と利他の関係

これまでの内容をまとめると、自分の心を知ることが人の心を知ることにつながり、人の心を知ることで利他がしやすくなり、利他をすることで自分の心がわかり、そして人の心がさらにわかり・・・という好循環を自然は期待しているのではないでしょうか。

釈迦はどれくらい人の心を知ることができたか

こういった「個人情報」を生み出す根源を突き詰めていくと、仏教でいえば「業」になります。

釈迦が1番伝えたかった因果の法則とは

そして、一切の業は阿頼耶識に蓄積されています。そのため、釈迦は自らを業論者と言っています。
普通の人でも、ちょっとした結果(情報)から、いろんな因果関係を見抜くことができ、玄人は素人にはわからない情報をつかむことができます。超能力者の中には、前世を知ることができたり、普通の人にはわからない情報をつかむことができる人がいます。
こういったことを考慮すると釈迦が、次のようなことができたとしても誇張ではないでしょう。
「仏もし自身および一切衆生の無量無辺の宿命の一切のことを念ぜんと欲せば、みなことごとく知りて、過恒河沙等の劫のことに知らずといふことあることなし。この人はいづれの処に生ぜりき、姓名・貴賤・飲食・資生・苦楽、所作の事業、所受の果報、心にはなんの所行ある、本はいづこより来たるといふこと、かくのごとき等のことをすなはちよく知見したまふ」(十住毘婆娑論)
(訳:仏が、もし自分自身やすべての生物の果てしない過去世のすべてのことを念じようと思えば、みな悉く知り、ガンジス河の砂の数ほどの果てしない過去のことも知ることができるのである。この人はどこに生まれたのか、姓名は何で、貴賤はどうか、どんなものを飲み食べて生活してきたのか、苦や楽、どんな仕事をし、どんな果報を受けたか、心にはどんな思いがあるか、本はどこから来たのかなど、このようなことをすぐによく知ることができるのである)

こういったことがわかってくると、自分の過去の行いがわかっている人と対面するのが怖くなってきます。裏表のある生活をし、嘘をついたり、ごまかそうものならすぐに見抜かれてしまいます。

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