親ガチャ問題 仏教ではこう説く

親ガチャとは

辞書には次のように書かれています。

子どもの立場から「親は自分では選べない」「どういう境遇に生まれるかは全くの運任せ」と述べる表現。ソーシャルゲームにありがちなキャラクター入手方法(いわゆるガチャ)になぞらえた言い方。(実用日本語表現辞典)

親ガチャと仏教

親ガチャについて仏教でどのように説くか見ていきましょう。

因果の法則

「運命」について仏教がどう説いているか説明するには、まず「因果の法則」について説明する必要があります。

因果応報は正しいか?釈迦が1番伝えたかった因果の法則とは何か?業・縁との関係は?科学は因果応報を証明できるか?

詳しくは上記の記事を参照頂くとして、ここでは簡単に紹介します。

・因果の法則の3つの柱
因果の法則は、大きく次の3つの柱から成り立っています。

善因善果:善い行いをすると必ず善い結果が返ってくる
悪因悪果:悪い行いをすると必ず悪い結果が返ってくる
自因自果:自分がやった行いは必ず自分に返ってくる

つまり、善い行いをして悪い結果が返ってきたり(善因悪果)、悪い行いをして善い結果が返ってくる(悪因善果)ことは絶対にないということです。
また、他人がやった行いが自分に返ってきたり(他因自果)、自分がやった行いが他人に返ってくる(自因他果)ことも絶対にないということです。

・縁
因果の法則は、正確には因縁果の法則といいます。
縁を因に含めて因果の法則ということが多いですが、縁の存在は非常に重要です。なぜなら因だけでは果にはならないためです。
たとえば、花の種があるとします。花の種(因)だけでは花は咲きません。水や太陽光や肥料や土といった、諸々の縁の存在があって初めて花が咲くという結果が生じます。
生命にしても何にしても、万物は因と縁が結びついて存在しており、これを「因縁和合して結果が生じる」といいます。
このことを教えた「引きよせて 結べば柴の 庵にて 解くれば元の 野原なりけり」という古歌もあります。

・因果の法則は三世を貫く
三世(さんぜ)とは過去世、現在世、未来世の3つを指しますが、因果の法則は三世を貫いています。
そのため、現在の因や果から、過去の因や未来の果を知ることができます。
「過去の因を知らんと欲すれば、現在の果を見よ、未来の果を知らんと欲すれば、現在の因を見よ」(因果経)
(訳:過去の因を知りたいならば現在の果を見よ。未来の果を知りたいならば現在の因を見よ)
たとえば、現在世で不幸な境遇に生まれた人は過去世で悪い行いをしたということであり、現在世で幸せな境遇に生まれた人は過去世で善い行いをしたということです。
そして、現在悪い行いをしている人は未来必ず悪い結果を受けるということであり、現在善い行いをしている人は未来必ず善い結果を受けるということです。
ですので、次のようなこともいえます。
「悪を行ずるも楽を見るは、悪の未だ熟せざるがためなり。其の悪にして熟するに至らば、自ら苦を受くることを見む」(成実論)
(訳:悪い行いをしているにもかかわらず楽でいられるのは、悪因が結果となっていないためである。結果となれば苦しむことになる)

・ 世の別は業によって生ず
「男女」「賢愚」「美醜」「貧富」等々、この世は生まれながら様々な差別があります。これらの運命は、自分自身の過去世の業(行い)によるものです。倶舎論には「世の別は業によって生ず」と説かれています。

親ガチャと因果の法則

因果の法則を踏まえて親ガチャについて見てみましょう。
自分の運命を親など人のせいにするのは間違いで、親は縁にすぎません。父母恩重経には「人のこの世に生まるるは、宿業を因とし、父母を縁とせり」と説かれています。自分自身が造った過去世の業を因、父母を縁としてこの世に生まれるということであり、自分が親が選んだということです。親ガチャに限らず「〇〇ガチャ」がこれからも作られるでしょうが、すべて同じことです。

・愚痴

「ぐち」と読み、因果の法則といった真理に無知な心です。「愚」は愚か、「痴」も知が疒(やまいだれ)に入っています。つまり、バカの中のバカということです。莫迦(ばか)の語源ともされています。
すべての結果は因と縁が結びついたものですが、縁を因だと間違え、縁を恨む心が愚痴です。素直に自業自得だと反省できればいいのですが、自分に原因があるとは思えず、不幸の原因を他人や環境など、他に見出そうとする心です。
「泥棒が縄を恨む」という諺があります。縄に縛られた泥棒が、「苦しいのは縄のせいだ」と縄を恨んでいるということですが、これが愚痴です。泥棒の今の苦しみは、自身の過去の悪い種蒔きが原因であって縄ではありません。

「他人の不幸は蜜の味」「シャーデンフロイデ」「リア充爆発しろ」バカの語源であり、妬み嫉みを生み出す愚痴の煩悩とは?

親ガチャと超心理学

超心理学でも「子供が親を選ぶ」と主張する人は少なくありません。
たとえば、「生まれ変わり研究」で知られるヴァージニア大学の児童精神科医、ジム・タッカーは、「たくさんの事例で、子供たちは次の両親を自分で選んだと語っている」と言います。
医師で胎内記憶の研究者でもある池川明によれば、胎内記憶のある子供に、「陣痛は、お母さんが起こすの?それとも赤ちゃん?」と質問すると、全員が「赤ちゃん」と答え、子供は「そろそろ外に出ようと思って、出てきた」と答えるといいます。
「近年、胎児の肺から分泌されるサーファクタント(プロテイン)が子宮の筋肉を興奮させて陣痛を起こすという学説が発表されており、子供たちの証言と一致しています」(池川)
前世療法(催眠を利用した心理療法の1つ)で知られるブライアン・ワイス(マイアミ大学医学部精神科教授)も次のように言います。
「私たちは両親を自分で選びます。普通はこれまでの転生で縁のあった魂を親に選びます」
「私たちは母親が妊娠する前に、自分の環境を選び、人生の計画を立てているのです」

親の恩

また、親は恩を感じる対象であっても恨む対象ではありません。

親の恩がわからない人間は必ず不幸になる

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