真実を追究すると敵が出てくる。仏教に学ぶ誹謗中傷の受け止め方
本当のことを言って好かれればいいですが、現実はそうはいきません。どうしても嫌われる覚悟が必要になります。 真実を追究すると必ず敵が出てくる 真実を追究していくと、自ずと正誤が区別され、間違った教えを潰すことになります。すると、間違った教えを信じている人からは反発されます。「至言は耳に忤う」「良薬は口に苦し」といった言葉があるように、真実は耳障りが悪く感情が反発しやすいものです。無知からくる反発もあ […]
本当のことを言って好かれればいいですが、現実はそうはいきません。どうしても嫌われる覚悟が必要になります。 真実を追究すると必ず敵が出てくる 真実を追究していくと、自ずと正誤が区別され、間違った教えを潰すことになります。すると、間違った教えを信じている人からは反発されます。「至言は耳に忤う」「良薬は口に苦し」といった言葉があるように、真実は耳障りが悪く感情が反発しやすいものです。無知からくる反発もあ […]
真剣に聞く人というのは説く方も真剣にさせます。「最高の授業には、最高の教師と最高の生徒が必要だ」と言った人がいますが、説く側と聞く側の両方が真剣になって初めて火花が散るのです。巣鴨拘置所の教誨師としてA級、B級、C級戦犯の多くを世話した花山信勝は、次のように死刑が迫った老将軍たちの真剣さに自分も引きずられたと語っています。「1時間の勤行と法話の間身動き1つせず、謹厳そのものの姿で、真剣に聞いて下さ […]
ある営業マンと初めて出会った時のことです。仕事の話も一段落し、どこに住んでいるかという話になりました。すると私と同じ池袋に住んでいると言いました。池袋も広いので、ここまでは少し嬉しいというぐらいでした。ところが、さらに話していくと、なんと同じマンションに住んでいることがわかりました。2人で驚きながら、さらに何階に住んでいるのか聞くと(このマンションは14階建て)、驚くことに私の隣の部屋に住んでいた […]
人に親切にする際は、気を遣っているように思わせないように気を遣うという点も大切です。 「落穂拾い」などの作品で知られるフランスの画家ミレーが、まだ無名だった時のことです。ミレーはストーブを燃やす薪も、妻子に食べさせる食べ物も満足にない極貧の生活をしていました。ある日、哲学者のジャン・ジャック・ルソーが友人のミレーを訪ねてきました。「実は、私の知人が君の絵のファンでね。1つ分けてもらえないだろうか」 […]
4~5世紀頃、北インドに生まれた無着は、最初、小乗仏教を学ぶも満足せず、その後、大乗仏教を学び悟りを開いていました。しかし、弟の天親は小乗仏教に迷い続け、高名な学者にまでなっていました。無着は天親を説得しようとしますが天親は耳を傾けず、ついには家を出てしまいました。思わぬ結果に無着は悩みました。悩み続けていたある日、ふと考えが浮かび、無着は弟子を使って天親に書状を送らせました。天親が書状を見てみる […]
仏教には廃立という言葉があります。「廃」は捨てるべきもの、信ずべきでないものという意味で、「立」は拾うべきもの、信ずべきものという意味です。廃立の特徴は「これはいい」「これはダメ」とハッキリと言い切ります。このハッキリと言い切ることが、長所でもあり短所でもあります。・廃立と隠顕廃立に対して隠顕という言い方があり、次のような違いがあります。 廃立:Aはダメ、Bを取れ隠顕:Aもいい 廃立の長所は「わか […]
子育ては必ず失敗する 子育ての成功とは子供を幸せにすることですが、無常の幸福では幸せになれないのですから、子育ては必ず失敗するということです。自分が幸せになる方法がわからないのに、子供を幸せにできるわけがありません。人間は「子供を立派に育てられる」と思っていますが、それは人生に不真面目だからであり己を知らないからです。第2巻でも説明したように、真面目に考えれば人生が不可解であることがわかり深刻に悩 […]
こちらの記事で説明した通り人間の本性は我利我利亡者です。 人間の愛は偽物。人間の本性は我利我利亡者 それを表した例として、芥川龍之介の小説「蜘蛛の糸」を簡単に紹介しましょう。極楽の蓮池のふちを歩いていたお釈迦様が、ふと池の中を見ると地獄の様子が見えました。そこにはカンダタという男が、他の罪人と一緒に蠢いていました。カンダタは、殺人や放火、窃盗など数多くの悪事を働いていた男です。しかし、たった1つだ […]
お盆といえば、多くの人が先祖供養のイベントだと思っているでしょうが、そうではありません。 本当のお盆 お盆は盂蘭盆の略で、盂蘭盆とはサンスクリット語のウランバナに漢字をあてたものです。中国語で倒懸と訳し、「逆さに吊るされて苦しんでいる者」を意味します。お盆の起源は、盂蘭盆経にある次の目連の話にあります。目連は、釈迦十大弟子の中でも特に強い神通力があったという人です。親の恩に報いたいと思った目連が、 […]