父母恩重経全文(現代語訳付)
かくの如く、われ聞けり。(このように私は聞いた) あるとき、仏、王舍城の耆闍崛山の中に、菩薩・声聞の衆とともにましましき。比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷・一切諸天の人民、および龍神・鬼神等、法を聞き奉らんとて来たり集まり、一心に宝座を囲繞して瞬きもせず、尊顔を仰ぎ見奉りき。(ある時、仏は王舍城の近く、耆闍崛山の山中で、菩薩や声聞といった優れた求道者らとともにいた。在家・出家の男女の求道者や、仏教を外 […]
かくの如く、われ聞けり。(このように私は聞いた) あるとき、仏、王舍城の耆闍崛山の中に、菩薩・声聞の衆とともにましましき。比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷・一切諸天の人民、および龍神・鬼神等、法を聞き奉らんとて来たり集まり、一心に宝座を囲繞して瞬きもせず、尊顔を仰ぎ見奉りき。(ある時、仏は王舍城の近く、耆闍崛山の山中で、菩薩や声聞といった優れた求道者らとともにいた。在家・出家の男女の求道者や、仏教を外 […]
「恩」という字は「因を知る心」と書きます。仏教は知恩・感恩・報恩の教えであり、「恩知らずは畜生にも劣る」と説かれます。イソップ物語で有名なイソップは、「感謝は高潔な魂の証である」と言いました。ちなみに、感謝することが心身に良い影響を及ぼすことを調べた研究もたくさんあります。 親の恩 ここでは親の恩について説明します。世間でも、様々なたとえを使って親の恩の大きさを教えています。海外のある企業で、次の […]
「悪に強ければ善にも強し」という諺があります。悪を徹底している人は、善に向いた時にも徹底するようになるという意味です。逆に言えば、悪に中途半端な人は、善にも中途半端という意味でもあります。その人の行為が善か悪かという視点も大切ですが、徹底しているか中途半端かという視点も大切です。たとえれば、振り子のようなものです。左に大きく振れれば右にも大きく振れ、左に小さく振れれば右にも小さく振れます。 ・善悪 […]
ベンジャミン・フランクリンは、雷が電気現象であることの証明や避雷針の発明で知られる人ですが、彼は若い頃、小さな書店を営んでいました。その時のエピソードに次のようなものがあります。ある日のこと、店にやってきた客の1人が本を値切ろうとしました。「この1ドルの本だが、もっと安くならないかね」「では、1ドル15セントにしましょう」「なんだって?私は安くできないかと言っているのだよ」「それでは、1ドル50セ […]
相対善悪とは たとえば、10cmの鉛筆があるとします。この鉛筆は20cmの鉛筆よりは短いですが、5cmの鉛筆よりは長くなります。10cmの鉛筆そのものは、長いとも短いとも言い切れません。このように、比較するものによって変化することを相対的といいますが、善悪も相対的であり相対善悪といいます。つまり、絶対的な善や悪は存在しないということです。たとえば次のような言葉は、善悪が相対的であることを教えていま […]
世間と仏教とで善悪観がどのように違うか簡単に見てみましょう。 世間の善悪観 世間一般の善悪の基準として代表的なものが、「法律」や「道徳・倫理」です。道徳・倫理は、「慣習」「文化」「マナー」「伝統」といったものを含む広い概念です。・欠点これらの基準は人(大衆)が作ったものですので、中途半端で不完全なものです。心の行為は対象になっていませんし、身体や口の行為も1部しか対象にしていません。ですので、たと […]
経典は膨大な量ですが、死者のために説いた経は一つもありません。 死体は抜け殻 中身が抜けた死体は単なる物質です。「お釈迦様が死なれたら骨はどうしたらいいでしょうか」と尋ねた弟子に対して釈迦は、「骨なんかどうでもいいのだ」と言っています。また、「庄松さんが死んだら墓を建ててあげましょう」と言われて庄松は、「オラは石の下におらぬぞ」と言っています。 追善供養で死者は救えない 追善供養とは死者に行う供養 […]
愛別離苦とは、四苦八苦の1つであり、愛する人と別れる苦しみです。「会うは別れの始め」といわれますが、会者定離であって、出会ったからには離れる定めにあります。一瞬で大切な人を失うことがあり得るのがこの世界です。意識するとしないとにかかわらず、別れの時は刻一刻と確実に近づいています。そして、いざやってくれば、その大きな衝撃に塗炭の苦しみを味わうことになります。嫌いな人と別れるなら嬉しいでしょうが、生き […]
四苦の中の1つ病苦は、病気になる苦しみです。「人は病の器」といわれるように、次から次へと病が生じ、大半の人は病気で死にます。病気は四百四病あるといわれ、これは無数にあるということですが、どれほど医学が進歩しても、結局は病気に負ける運命にあります。人間の命はあっという間ですが、いわゆる健康寿命はもっと短いです。重い病にかかれば天を仰ぐようにして激しく苦しみますが、死にたくないために激痛に耐えてでも治 […]
「様々な身体検査を行った後、診察室でこう告げられます。あなたは今後間違いなく、健康に色々と悪影響が出る医学的状態にあります。症状は情け容赦なく悪化して行き、いずれは視覚も聴覚もやられ、しっかりとものを考えることもできなくなります。味覚が鈍くなるのに加えて消化器系にも障害が出るので、いずれは食べる楽しみも奪われ、消化の良いものくらいしか食べられなくなります。気力・体力が衰えるため、将来的には好きな活 […]